健康一ロメモ㉒「小便、久しく秘するは危し」貝原益軒

尿が出なくなる病気には急性腎不全、膀胱の機能障害、尿道の狭窄、前立腺肥大症、前立腺がんなどがある。前立腺肥大症は夜間頻尿、残尿感、尿意切迫で始まり、次第に尿が出難くなったり、途中で止まったり、出始めるまでに時間がかかったりするようになる。進行すると尿が全く出なくなる。高齢者の病気であるが、肥大は40代から始まり、症状を訴える人は50歳以降年齢と共に増え、60歳以降では50%に、70歳以上では80%に何らかの症状が見られる。前立腺肥大症は良性の疾患ですが、前立腺がんは骨に転移しやすく腰痛の原因になることがある。診断のためにはPSA(血清前立腺特異抗原)値を測定する検査が普及している。治療にはホルモン製剤による治療、放射腺治療、外科的切除などの方法がある。日本では癌による死亡は比較的少ないが、最近食事の欧米化や高齢化に伴って増加傾向に
ある。排尿の異常に気づいたときには早めに専門医に受診して下さい。

2012〜13年度会長 小西 眞