健康一ロメモ㉑ 「老いての後は、日々に楽しむべし」貝原益軒

老後を豊かに過ごすには、休だけでなく心の養生も重要です。特に認知機能障害(認知症)は老化と共に進行することが多く高齢者の生活に大きな影響を与えます。認知機能低下の第一の要因は加齢です。短期の記憶や瞬間の判断力、抽象的な思考能力は老化と共に下がってきます。脳萎縮のある人、脳梗塞などの血管性病変がある人、高血圧症のある人、頚動脈の動脈硬化性変化が進んでいる人、糖尿病やその予備軍、甲状腺機能低下症のある人、うつ傾向のある人などでは認知機能の低下している人が多く見られます。これらの病気は予防や早期治療が可能なため、一日でも早い対応が大切です。運動や栄養、喫煙、飲酒などの生活習慣も認知機能と深く関わっています。少量の日本酒やワインの飲酒は認知機能を高めます。食事では乳類、野菜類、ビタミン類などを多く摂取する人、又余暇運動量の多い人、睡眠を平均6〜7時間とる人でいずれも認知機能が高くなることがわかっています。楽しみを持つこと、社会と積極的に関わることが大切です。養生訓に「日々に楽しむべし」と書かれていますが、楽しい毎日を過ごすことが老後の認知機能障害を予防する秘訣です。

2012〜13年度会長 小西 眞