健康一ロメモ㉗「睡を少なくすべし」貝原益軒の養生訓

「ねぶり多ければ、元気めぐらずして病となる」、「昼いぬるは、尤害あり」

寝すぎは逆効果。十分な睡眠は休を休めるためにはどうしても必要である。それでは長時間眠れば良いかというと必ずしもそうではなく、寝すぎると熟睡した感覚がかえって減ってしまい、一日のリズムを崩してしまい疲れます。長く眠らなくても、すぐに寝ついてぐっすり眠り、気持ちよく目覚めることが疲労回復のためにベストです。多くの人にとって7〜8時間が最適ですが、個人差があります。ストレスで不眠になることは良くあります。ある報告によれば入眠障害は約25%に、夜間覚醒は28%の人に見られました。不眠が続けば体力も消耗するので睡眠薬の服用が必要になることもあります。絶えず働いている脳を休ませるために昼寝は必ずしも悪くはなく、短時間の仮眠で脳の機能は回復します。長時間ではかえってボンヤリ感が残り、夕方に仮眠をとると夜寝られなくなります。昼寝をするのであれば午後3時までに30分以内が望ましいと考えられています。睡眠薬には依存性がありやめると不安や頭痛などの禁断症状が出ることがあるので医師とよく相談して使用することが必要です。不眠には寝つきが
悪い、ぐっすりと眠れない、朝早く目が覚めてしまうなど様々で、睡眠薬にも超短時間作用型、短時間型、中間型、長時間型があり不眠の種類によって使い分けをします。アルコールと一緒に飲むとけいれんや、幻覚、妄想、錯乱などの症状が出ることがあるので禁忌である。高齢者では翌日まで作用が続くとふらついたり、転んだり、頭が重くなったり、記憶力や判断力も低下することが多いので注意を要する。

2012〜13年度会長 小西 眞