【金融取引税】 会長スピーチより

 為替の過度な変動、飢餓、貧困、高失業率など国際社会が直面している課題をいかに解決するか。金融取引税が注目される。
 11月3.4日、南仏カンヌで開かれた20カ国地域(G20)首脳会議で国境を越えた金融取引に課税する金融取引税に言及しました。独・仏・スペイン・アルゼンチンが支持、米、英が反対、合意にはなりませんでした。国家間の金融取引に低率の税金を課すことで、投機的な資本の移動を抑制しようというものです。ノーベル経済学受賞者ジェームズ・トービン氏(アメリカ)が1970年代に提唱、トービン税とも呼ばれる。
 国際決済銀行(BIS)の報告書では、2010年4月の世界外国為替取引額は3年前より20%増。1日当たり4兆ドル。1位イギリス(1兆8536億㌦) 2位アメリカ3位日本。世界貿易額は年間14兆9753億ドル。3〜4日間の為替取引額が世界貿易額の1年分に相当することになる。膨れ上がった巨額のマネーが利益を求めて暴走し、株、為替、原油穀物相場を撹乱している。取引税は低率で投機目的であれば、取引を増やせば増やすほど多くの税金を払うことになる。
 EUでは世界規模で金融取引額0.05%課税するだけで6500億ユーロ(67兆円)の歳入を見込んでいます。

第54代会長 谷口 弘